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事例 Case Study

リードナーチャリングとは?
B2B見込み客を育成するシナリオ設計とステップメール事例

リードナーチャリング

B&D(旧名:インターコネクト)の事例

公開日:
近年、多くの企業が広告出稿、SEO対策、セミナー開催、ホワイトペーパー配布など、リード獲得施策に力を入れています。しかし、「リードは増えているのに売上につながらない」という声も増えてきました。

B2Bでは、リードの多くが初期の情報収集段階にあり、すぐに商談化するケースはごくわずか。検討が長期化し、複数人の意思決定を要するため、リード獲得後のフォローが成果に直結する重要なポイントとなります。

そのため、ただリードを集めるだけでなく、見込み客一人ひとりに応じた継続的なアプローチ=リードナーチャリングが、今後ますます重要になるのです。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、獲得した見込み客に対して継続的に情報を提供し、信頼関係を築きながら購買意欲を高めていくマーケティング施策のことです。

  • B2Bではリード獲得から商談化・成約までに長い時間を要する
  • 初期接点では比較検討以前の情報収集段階であることが多い
  • 検討は個人ではなく組織的に行われることが多く、複数人の関与が必要

こうした背景を踏まえ、リード獲得後には段階的に関係性を深め、相手のニーズを引き出し、検討を後押しするコミュニケーション設計が不可欠です。

商談に至らない理由と、リードナーチャリングが果たす役割

B2Bマーケティングに取り組む多くの企業が、以下のような課題を抱えています。

  • 資料請求はあるのに商談につながらない
  • 展示会で名刺交換したのに、その後の進展がない

その背景には、B2B特有の「購買プロセスの長期化・複雑化」があります。見込み客は多くの場合、次のような状態にあります。

  • 購買タイミングがまだ先
  • 他社に先を越される
  • 接点から時間が空き、忘れられてしまう

また、B2Bでは意思決定に複数の関係者が関与するため、単に情報を送るだけでは十分ではありません。こうした状況を踏まえ、リード獲得後に段階的・計画的なアプローチを行うリードナーチャリングが、より重要になっているのです。

獲得したリードを「成果につなげる」ために必要なこと

展示会やWeb広告などでせっかく獲得したリードも、ただ情報を送り続けるだけでは商談にはつながりません。誰に・いつ・何を届けるかという“設計”がなければ、競合他社に流れてしまったり、検討タイミングを逃してしまったり、そもそも記憶から忘れ去られてしまうといったリスクが高まります。

そこで重要になるのが、「リードナーチャリング(見込み客育成)」の考え方です。戦略的にナーチャリングを行うことで、以下のようなメリットが得られます。

リードナーチャリングに取り組む3つのメリット

  • 費用対効果を高められる
    展示会・広告・コンテンツ施策などで得たリードを有効活用し、マーケティング投資の回収率(ROI)を改善できます。
  • 商談の質が向上する
    見込み客の関心や検討度を高めた状態で営業につなぐことで、提案の精度が上がり、成約率も向上します。
  • 営業リソースを有効活用できる
    見込み度の高いリードに優先してアプローチすることで、営業活動の効率化が図れます。

なぜ「継続的なアプローチ」が重要なのか?

ナーチャリングの目的は、情報を“送り続ける”ことではなく、検討フェーズを一歩ずつ前進させることにあります。

たとえば、

  • 情報収集段階のリードには、「課題に気づかせる記事」や「導入事例」を
  • 比較検討段階のリードには、「選定のポイント」や「他社比較資料」を
  • 社内で稟議を通す必要があるリードには、「ROIの根拠」や「導入効果の試算」などを

といったように、段階ごとの興味・関心に合わせて情報を届けることで、見込み度を高め、スムーズに営業接点へつなげることができるのです。

ナーチャリングを成功に導く “ステップ設計” の考え方

見込み客の「検討ステージ」に応じた情報提供を

ナーチャリングを効果的に進めるには、「どのタイミングで、誰に、何を届けるか」というシナリオ設計=ステップ設計が不可欠です。

たとえば、以下のような設計が考えられます。

<検討ステージ別・ナーチャリングシナリオの例>

ステージ 見込み客の状態 提供するコンテンツの例
情報収集前 潜在的な課題にまだ気づいていない 業界トレンド記事、課題喚起のコラム
情報収集中 自社に近い課題を抱えて調べている 導入事例、課題解決型のホワイトペーパー
比較検討中 他社製品と比較している 機能・価格比較表、選定ポイント解説
社内調整中 稟議・意思決定を進めている ROI試算、提案資料テンプレート
導入直前・直後 意思決定済み or 導入開始 成功活用ノウハウ、オンボーディング支援資料

設計には「逆算」の発想が重要

ステップ設計のポイントは、ゴール(商談化・成約)から逆算して考えることです。

たとえば「営業が接触したい状態とは?」「稟議に必要な情報とは?」といった営業視点を取り入れることで、マーケティング施策が“つながる”ものになります。

あわせて、次のような視点で設計することが成功の鍵になります:

  • リードの検討ステージを分類するフレームを用意する
  • 情報の出し方に緩急(強弱・段階)をつける
  • 同じ内容でも対象者の立場(担当者/決裁者)に応じて切り口を変える
  • 「検討から行動」に変わるきっかけ(トリガー)を用意する

ナーチャリングは、“見込み客の検討プロセスに寄り添い、伴走する”取り組みです。シナリオの質が、最終的な成果を左右すると言っても過言ではありません。

ステップメール配信のポイント

“送り方”でナーチャリング効果は大きく変わる

ステップ設計に基づいたナーチャリングの中でも、特に有効なのがステップメールの活用です。

ステップメールとは、資料請求やイベント参加などのアクションをきっかけに、あらかじめ設計したシナリオに沿って自動で配信されるメールのこと。見込み客の関心度・検討フェーズに合わせたタイミングと内容で接点を持つことができます。

<成果を高めるステップメール配信 5つのポイント>

  • 起点を明確にする(資料請求・セミナー参加など)
  • 検討ステージ別にシナリオを用意する
  • 関心が高まる情報を“順を追って”届ける
  • 1通1通の目的を明確にする
  • メールの反応を見て柔軟に分岐させる

ステップメールは「顧客との対話」の延長線です。一方的に情報を押しつけるのではなく、「この人には、いま何が必要だろう?」という視点で設計・配信することが重要です。

たとえば、ある製造業向けSaaS企業では、次のような構成で成果を上げています。

  • 【1通目】「〇〇業界のDX化が進まない理由」などの課題喚起コンテンツ
  • 【2通目】類似企業の導入事例と、その背景となる社内課題の紹介
  • 【3通目】製品の特長と、営業資料DL誘導
  • 【4通目】「社内で話が出ている方向け」稟議テンプレート・ROIシミュレーション提供

このように、“ひとりの見込み客を社内の検討プロセスごと育てていく”意識を持ってステップを設計することで、商談化の確度が高まります。

ナーチャリング設計に必要な準備

無理なく始めるための“3つの整理”

リードナーチャリングを始めようとしても、「まず何から手を付ければ?」と立ち止まる方も多いのではないでしょうか。シナリオ設計やメール配信にはある程度の準備が必要ですが、すべてを一度に整える必要はありません。まずは以下の3つを整理することから始めましょう。

  • 見込み客の“状態”を分類する
    今あるリードの属性や行動履歴から、検討段階を大まかに分類しましょう。
    • 資料請求やセミナー参加直後(情報収集フェーズ)
    • ホワイトペーパーを複数DLしている(比較検討フェーズ)
    • 個別相談を希望(導入検討フェーズ)
  • 既存のコンテンツを棚卸しする
    営業資料・導入事例・ホワイトペーパー・過去セミナー動画など、使える情報資産を整理し、「どのフェーズに使えるか」を対応付けるだけでも、ステップ設計の土台になります。
  • メール配信・管理の体制を確認する
    MA、メルマガ配信ツール、CRMなどのメール配信ツールの状況を確認し、対応できる範囲を明確にしましょう。MAがなくても、シンプルなツールでステップ配信を始められます。

スモールスタートでも、きちんと“設計”すれば成果は出る

ナーチャリングは、いきなり完璧な仕組みを作る必要はありません。今あるリードとコンテンツを活かして、シンプルな1シナリオから始めてみることが重要です。

  • 新規DL資料請求者向けに「3通で構成された簡易ステップメール」を作成する
  • 2つの検討ステージに分けて、送る資料や導入事例を変える

このような工夫から始めることで、コストを抑えつつ費用対効果を高め、営業リソースを本当に見込みのある層に集中できるようになります。

検討フェーズ別シナリオ設計例

「誰に・いつ・何を届けるか」の考え方と実例

検討フェーズ1:情報収集段階(課題意識はあるが、解決策を模索中)

項目 内容
特徴 ・自社に課題があることは認識しているが、具体的なサービスは未検討
・検索やSNS、セミナーなどで情報収集中
有効なコンテンツ例 ・業界課題に関する解説資料・課題発見を促すチェックシート
・社外セミナー、ウェビナー招待
ステップ設計例 ステップ1:業界の最新動向や課題に関するメルマガを配信
ステップ2:課題を明確化できるチェックリストや診断コンテンツを案内
ステップ3:同じ課題を持つ企業の成功事例を紹介

検討フェーズ2:比較検討段階(複数サービスを比較中)

項目 内容
特徴 ・自社の課題は明確になっており、複数の解決策を比較中
・社内で情報を共有しながら導入可否を検討している
有効なコンテンツ例 ・導入事例(業種別・課題別)
・サービス比較表や機能一覧・価格やROIに関する資料
ステップ設計例 ステップ1:競合サービスとの違いをまとめた資料を案内
ステップ2:具体的な効果が分かる導入事例(数字付き)を紹介
ステップ3:実際の活用イメージを持ってもらうセミナーや動画を案内

検討フェーズ3:導入検討段階(具体的な導入を検討)

項目 内容
特徴 ・決裁者・導入部門と連携して、条件・要件を詰めている
・検討対象が1~2社に絞られていることも多い
有効なコンテンツ例 ・社内稟議用の提案資料テンプレート
・ROI試算ツール・無料トライアル・個別相談会
ステップ設計例 ステップ1:意思決定者向けに要点を絞った提案資料を提供
ステップ2:コスト感やROIの算出支援(試算テンプレートなど)
ステップ3:無料トライアル、PoC(概念実証)の案内で背中を押す

ステップメール設計の実践ポイント

定期的な接点で、信頼と関心を段階的に高める

  • 初回接点からの“温度感”に応じた分岐設計を
    アクションに応じて情報の深さやトーンを調整しましょう。
    • 資料請求者には、基礎情報や関連コンテンツの紹介
    • セミナー参加者には、導入事例やQ&Aなど、より深い内容
  • 配信頻度は「週1回」程度がベース
    高すぎる頻度は嫌悪感、低すぎると忘れられます。反応を見ながら調整しましょう。
  • CTAは“次の行動”を明確に
    各メールに目的を持たせ、アクションを促すボタンやリンクを設定します。
    • 導入事例を見る → 比較フェーズへ
    • 無料トライアルを申し込む → 導入検討フェーズへ
    • 資料ダウンロード → スコアリングに活用
  • 開封・クリック状況に応じたスコアリングと営業連携
    MAツールを活用し、ホットリード通知などで営業に連携しましょう。
  • メールの内容は「売り込まない」が鉄則
    課題に寄り添った情報提供が信頼につながります。
    • 業界別の課題整理・チェックリスト
    • 導入失敗の回避ポイント
    • 成功企業のインタビュー

成果につながるナーチャリングの鍵は“設計”にある

見込み客の育成(リードナーチャリング)で重要なことは、検討段階ごとに何を伝えるべきか、どのような順序で情報を届けるかという「設計」です。この設計がしっかりしているかどうかで成果は大きく変わります。

自社だけで進めるのが難しい場合は、他社事例や専門家の視点を取り入れるのも有効です。迷ったときには、外部の視点を加えることで、より効果的なナーチャリングが実現できるでしょう。

また、当社では以下のようなサポートも行っています。

  • リード状況に応じたシナリオ設計のご提案
  • ステップメールの文面作成支援
  • 配信スケジュールの設計サポート

ご興味があれば、お気軽にご相談ください。



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