事例紹介
東京都『防災ブックに関する広報業務委託』
関東大震災から100年の節目に、防災普及啓発を一層強化する取組として、クライアントである東京都が防災ブック「東京防災」 及び「東京くらし防災」を都内の全世帯へ配布。
B&Dは、その防災ブックの認知度向上と内容浸透を目的とした広報キャンペーンを担当。
特に20〜30代の若年層の防災意識向上と、自助・共助の取組強化を狙った施策を実施した。
担当
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営業
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制作(デザイナー)
主な制作物
- 新聞広告
- 屋外広告・WEB広告用素材
- 体験型デジタルコンテンツ
提案内容を教えてください
営業:防災に関しては特に若年層の関心が低いことから、キャスティングでは若者に人気が高いアイドルタレントの提案や、在日・訪日外国人への訴求を目的とした人気外国人キャラクターの提案、また防災における“共助”の観点から障害を持つアスリートの起用を提案しました。
プロジェクトの主要な工程を教えてください。
営業:短期間でのスケジュールに対応し、初動で全体戦略を策定。調査と並行して企画立案から提案書作成までをスムーズに進行しました。
プロジェクトの中で、最も難しかった判断や壁にぶつかった局面は何でしたか?
その状況をどのように乗り越え、具体的にどんな工夫や対応を行ったのか教えてください。
営業:今回の案件に限りませんが、案件告知から提案までのスケジュールはタイトな点です。そのため、日頃からクライアントの課題把握や、ターゲットや競争相手などの洞察はマスト。その上でオリエンテーション後の営業の役割はファクト整理をなるべく早く行い、プランナーやクリエイターにトスすること。そうすることでプランは熟成されて勝てる提案に繋がります。
制作:タレント選定から携わるため、若年層からシニア層、障害のある方や要介護者、外国人まで、幅広いターゲットが共感できるタレントを選定する点が大きな課題でした。そこで、同時に受託していた「東京都防災検定事業」で起用していた方をキャンペーンの顔として横断的にキャスティング。複数施策間で認知の連動やメッセージの一貫性を高めながら、効率的なリーチ拡大を実現。施策全体の相乗効果を引き出すとともに、与えられた条件の中で、最大の効果を創出することができました。
クライアントの課題をデザインに反映する際、特に重視したポイントはどこですか?
制作:プロモーション動画では、まず既存ブランドやキャラクターの世界観を守りつつ、幅広い都民に真摯なメッセージが届くような表現設計を重視しました。新聞広告ではリニューアルへの期待を高めるティザー的レイアウトを採用。さらに、冊子梱包箱のPR施策「デジタルブック 被災者の声」では、QRコードからYouTubeへ遷移し、音声と日記風ビジュアルで体験者の声をよりリアルに伝える導線を構築。世界観の踏襲と分かりやすい導線設計を両立させました。
クライアントからの評価はいかがでしたか。
営業:本案件は総合評価方式という、価格点と技術点の合計の点数で落札者を決定するコンペ形式でした。4社競合の中、弊社が最高評価を獲得し受注しました。
クライアントが“他社ではなく当社を選んだ理由”として、どのような役割や成果を期待していたと捉えましたか?
営業:弊社は東京都の防災事業に数多く係わってきた経験から、前述したようなきめ細かな提案ができました。また、防災ブックの現状と災害被害に関する都民の意識を提案前にWEB調査を行って課題を洗い出し、企画に反映させた点なども高く評価されたと思います。
本案件を経て得た知見、または今後さらに追求・挑戦したい領域はありますか?
営業:案件を実施する上では、社内・社外問わず多くのスタッフや協力者に支えてもらいながら創り上げていきます。コンペに勝つ時も負ける時もそれらの経験が全て自身の財産になっていきます。新しい仕事にチャレンジするときは不安もありますがアドマンにとって“経験値”という大切な財産が増えることが喜びでもあります。
制作:民間企業の案件とは異なり、行政仕様書の読み解きの難しさを痛感。“要件を漏れなく企画書・見積もりに反映する力”を大きく学びました。また、約1年にわたり企画から公開後のレポートまで関わった経験はクリエイティブディレクターとして自身初で、長期プロジェクト運営の視座が養われました。制作メンバーのアサイン、提案書作成、厳格なプレゼン、撮影・取材を含む制作進行、公開後の分析まで一貫して携われたことで、スキルの集大成ともいえる成長を実感しています。